透析マネジメント / What's New / (社)日本透析医学会学術集会・総会で講演
■学会名:第53回 (社)日本透析医学会学術集会・総会
ワークショップ3「透析医療における経済・経営・保険」
■会場:神戸ポートピアホテル・トパーズ 第6会場
■テーマ:「持続可能な透析医療機関の経営戦略」
我々は今、未曾有の困難に直面している。
多くの経営者は、その困難が診療報酬の改定に依拠していると信じて疑わない。
これまでの診療報酬や医療政策がもたらしてきた経営の果実、
更に過去の成功体験が、その困難をより深刻にしているのである。
医療機関は政府のコントロールにより、
政策や制度に反応的な経営体質を助長させてきた。
さらにこの経営体質が供給側の経営システムとして固定化されるとともに蔓延した。
そして、その結果いまや経営者は、これまでの経営システムにより
もたらされた副作用の治療や負の資産の回収に追われている。
しかし、多くの経営者はこのことにすら気が付いていない。
今後、多くの経営者は、これまで作り上げたシステムそのものの持つ
恒常性や免疫系との戦いを強いられて行くであろう。
これまでの政府の強いコントロールは医療機関の経営者を政策や制度に
フォーカスさせることにより、医療機関の経営者が真に市場に対峙するという
医療サービス提供としての能力向上の機会を失わせてきた。
これから医療機関の経営者が今後目指さなければならないものは、
医療市場を意識しながら成果を出してゆくことである。
つまり、経営者に求められるのは組織を含むシステム全体の変革に他ならない。
すでに多くの医療機関の経営者は業界の閉塞感から、
その必要性を感じ取っているだろう。
しかし、問題は具体的な行動の指針が見いだせない点である。
行動の指針をどこに求めるのか?
これからの行動と方向性を導出するための思考を深めてゆきたい。
今、我々は政府によりコントロールされる嘆き悲しむ規制業種の集団ではない。
未来を目指し、医療消費者に便益を届けるための、
創造的な集団になるために議論を重ねたい。
医療経営戦略研究所 櫻堂 渉