生産性革命で経営の効率化をする!
透析マネジメント / 櫻堂渉のコラム / No.6 生産性革命で経営の効率化をする!

【2007年1月 No.6】
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ある透析医療機関では、業務の効率化を目的に、透析業務のシステムを大胆に変更した。その結果、大きな成果を得ることに成功。システムの改善前と改善後を比較すると、生産性が2.3倍にもアップした。
一般的には、生産性を上げるためには、生産スピードを上げる必要があり、「職員が懸命に汗を流して働いて、初めて達成可能なもの」と考えがちだ。しかし、職員にハードワークを強いることなく生産性を高める方法もある。そのコツは、システムそのものを変更すると同時に、職員の能力の向上を図ることだ。経営効率化の鍵は、この2つにあると言って良いだろう。 さらに、この医療機関では、システムの改善により、患者と職員の満足度が上昇した。患者満足度を、医療の質を評価する指標の1つとして考えると、システムの改善による生産性向上は、費用の適正化に加え、医療の質の向上にもつながる。
しかし、よいことばかりではない。職員の組織へのコミットメントが不足している場合や、コンセンスを得ていない場合は、生産性だけを追いかけても、サービスの水準は上がらない。職員は、サービス生産の担い手であり、故に彼らがサービスの水準を決定するからだ。 従って、リーダーがまず行わなければならないのは、職員のやる気やコミットメントを引き出し、次に、システムの改善を実施すること。システムは、組織に大きな力をもたらす一方で、実態に合わない場合は、職員の能力とともに生産性を著しく低下させる。
残念ながら、数多くの医療機関では、旧態依然としたシステムを放置したまま、今日に至っている。システムは「仕事の習慣」であり、修正には困難を伴う。システムを開発した人やこれを温存してきた人にとって「修正が必要である」という事実は、受け入れ難いからである。だからこそリーダーは、抵抗勢力に屈せずに、熱意をもってシステムの改善を断行しなければならない。
抵抗勢力をもっとも効果的に取り除く方法は、議論に時間をかけず、まずはパイロットスタディ(試行)を実施することだ。その際には、「うまくいかない場合は、すぐに元に戻す」というルールをつくり、職員に安心感を与える。あくまで「試行」であることを知らせることで、議論に時間をかけずにアイデアを実行に移すことが可能となる。実行後は、PDCAサイクル(Plan−Do−Check−Action)に従ってプロセスを管理し、さらに効果的なシステムになるように改善することが肝要である。
透析医療は今まさに、変革を迫られている。経営者は、今次診療報酬のマイナス改定について、「透析医療にはいまだ効率化の余地が残っている」という政府からのメッセージと解釈すべきだ。時代の流れに機敏に反応して、積極的に効率化を図るクリニックだけに、持続的な経営が保証されるだろう。