どの透析医療機関でも問題視されているスタッフのモチベーションを上げるということについて。
透析マネジメント / 櫻堂渉のコラム / No.3 スタッフのモチベーションはどのようにして上げるか?

【2006年8月 No.3】
スタッフのモチベーションを上げるということについて、どの透析医療機関でも問題視されていることだと思います。そもそもモチベーションの中身を明確にしないかぎり、モチベーションをどう上げていくかは明らかにならないし、どのように行動したらよいかわからないということになるでしょう。
それでは「先生、モチベーションはどのようにして上げていくのですか?」と聞くと、先生は「そんなことは簡単だよ。給料を上げればいい。賞与を上げればいい。そうすればスタッフは良く働くのだよ。」“人間なんてこんなものだよ”こういうふうに言われる方が非常に多いです。つまり、「馬の鼻面ににんじんをぶらさげれば、馬は走るのだよ」というふうにスタッフのマネジメントを単純に考えている方が非常に多いのです。
モチベーションの研究家に言わせれば、それは全くの間違いです。スタッフのモチベーションは給料では上がらないということが証明されています。モチベーションは、例えば、給料が非常に低いという状況のとき、給料を上げることによってモチベーションが上がるかのように見えるのですが、それはマイナスのモチベーションが原点に戻るだけと言われています。最もモチベーションをマイナスにするディモチベーションは何かというと、これは“組織の方針がない”とか“理念がない”ということが最もモチベーションを下げる要因になります。よく言いますね。「うちの院長は何を考えているかわからない」これはモチベーションを最も低下させる。そして、先程申し上げた給料とか、役職ということがありますが、それを与えたところで原点に戻るだけということになります。
それではプラスについてのモチベーションは何かというと、“仕事についての満足”、“自分の仕事について認められている”ということがモチベーションを上げる最も大きい要因になってきます。こう考えると、マネジメント、リーダーシップということが、非常に明確になってくるわけです。
こういうと、多くのリーダーシップの教科書や育児書の愛読書からしかられそうです。しかし、むやみやたらに褒められて大の大人が喜ぶと思いますか?「どうせ院長、何かたくらんでいるに決まっている」こんな思いが職員の中に生まれるとすれば、元も子もありません。もっとも「ほめた」ところで職員は納得しません。
重要なのは、院長が職員の仕事の中身を知ることです。「仕事の中身」を理解してくれている人にほめられれば、当人は、“本当に評価してくれている”→“嬉しい”→“よし、もっと頑張ろう。”このような図式になります。そのためには、院長が職員の仕事の中身を知ること、そのためには仕事の中身について対話することに他ならないのです。
透析室の場合、職員をワーカーあるいは、ブルーカラーとしてしか使ってきていない場合が多くあります。しかも定型化している業務はラインにはりついている工場労働者と同じです。そこからはモチベーションは生まれません。時間でお金をいただくだけのブルーカラーが育っているだけです。経営を管理している立場からはこれをかえる努力をしなければなりません。モチベーションによりあなたの組織は変革をしていくことが期待されるのです。
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